自利利他「Win-Winを考える」
一年も早いものであっという間に師走となりました。
11月末に取引銀行のゴルフコンペに参加し銀行の役員から聞いた挨拶の一節です。
「私どもで何かお役に立てることがございましたら、最大限サポートさせていただきますので遠慮なくお申し付けください。」
その時に仏教用語の自利利他を思い出しました。
自利利他とは他人の幸せ・他人の利益のために修行・努力することが、自らの利益にかなう、と書いています。これは商売・ビジネスの基本中の基本であるはずです。
昔、ある男が海辺の村を訪れました。海辺の村なので、塩や魚に事欠くことはありません。しかし、その村には米ができる耕作地が少なく、米が不足していました。そして、何とかしてこの村の人たちを救うことができないか、という思いを抱きながら村を後にしたその男は、今度は別の村へやってきました。その村は、米を収穫する耕作地は潤沢にあったのですが、塩や魚に事欠くことが多かったのです。その事実に気づいた男は、何とかこの村の住民が困らないようにすることができないかと想いを巡らせたところ「そうだ!前に行った村から塩や魚を取り寄せ、この村の米と交換すれば、どちらの村も潤うではないか!」と思い至ったのです。そうして、この男は海辺の村の塩や魚と米を交換する流通、つまり商売・ビジネスを思いついたのです。
ここで大事なことは、この男は「何とかこの村の人たちの困りごとを解決する方法はないか?」ということを常に考えていたからこの閃きが舞い降りてきたはずです。
商売・ビジネスの原点は、どうすれば他人を幸せにすることができるのだろうか?という考えから出発しているわけです。
商売・ビジネスというのは、誰かに損をさせて自分が得するというものではありません。そうして一時的に利益が出たとしても、長く続くはずがありません。その原点は、商売・ビジネスをする「相手の利益」をかなうことがなければ、成立しないのです。
何をしてあげれば、喜んでお金を払ってもらえるのかを考え、実行しなければ長続きは絶対しないのです。今で言うと「Win-Win」の関係
仏教では、自分の利益のことばかり考える人ことを「我利我利亡者」と言いますが、そういう人はビジネスの世界では成功しないはずです。一時的に利益を得たとしても、人として幸福を感じることもないでしょう。だから「自利利他」は弊社の「経営理念」の喜ばれることに喜びと同じ意味合いと考えます。
改めて、お客様の求めるものは何か?そのためにわが社ができることは何か?を考えるきっかけにしようと思っています。
「今年も一年お疲れ様でした。今年も皆さんの頑張りのおかげで良い1年となりました」
師走に入り、年の瀬も迫って参りました。この一年間を無事に過ごせたことに感謝しましょう。
そして来年が皆様にとって良い年になります様、ご祈念申し上げます。